【三重県伊勢市】 アイゴなど未利用魚の有効活用へ| 磯焼け対策と地域活性化を目指す水産業の挑戦

地球温暖化による海水温上昇の影響で、三重県沿岸ではアイゴやブダイなどの植食性魚類が増加し、海藻を食べ尽くす「磯焼け」が深刻化しています。藻場の減少は、漁業資源や海洋生態系に大きな影響を与えており、三重県では未利用魚であるアイゴの有効活用に向けて取り組みが進められています。今回は伊勢市を訪れ、水産加工事業者や養殖業者を視察し、地域資源を活用した商品開発と地方創生の可能性について学びました。

 

みなさんアイゴという魚はご存じでしょうか?

温暖なエリアに生息し、海藻等を食べる植食性の魚で、海藻を食べるので磯臭さがあったり、ひれに毒があるので「低利用魚」や「未利用魚」と言われています。でも実はうまく加工すると鯛に負けない美味しさのある魚なんです。

実は、全国各地において地球温暖化等による海水温の上昇で、今までいなかったエリアにもアイゴやブダイなどの植食性魚類が増えていて、今まで藻場と言わる海藻が豊富な場所が減少し、「磯焼け」となり大きな問題になっています。



藻場は、さまざまな生き物の生活を支えるだけでなく、海の生態系や環境バランスを保つために大きな役割を果たしています。三重県の鳥羽市以南の沿岸では、ここ10年で藻場が80%も減少しています。
素潜りして貝類や海藻を採る「海女・海士」が有名ですが、藻場の減少で、あわび等の漁獲が減り、又、アイゴはひれに毒を持つので漁にも影響が出ています。
そこで、三重県では、アイゴ等植食性魚類の有効活用に向けた取り組みが行われています。弊社も少しでもお役に立てればと思い、今回三重県伊勢市へ向かいました。大阪難波から特急で1時間30分。伊勢中川駅に到着。



ここから三重県 農林水産部 フードイノベーション課の皆様によるアテンドいただき、地元業者様を訪問します。
1社目は、竹炭を混ぜた餌で「お炭つき鯛」というブランドで鯛を養殖されている南勢水産様へ。
南勢水産が南伊勢町とプロジェクトを組み、旧小学校の跡地に加工場を作り、アイゴの1次加工を行っています。小学校の跡地だけあって給食場には厨房機器がそろってます。


アイゴは皮のあたりが植食性魚類独特の臭みがあるので、皮をはがす加工も進めているそうです。


2社目は、三重県志摩市で昭和47年に創業され、地元漁師を助けたいとの思いで、地元の魚を使った加工を行われている有限会社伊勢志摩冷凍さんにお伺いしました。


4代目の代表取締役 石川様と安乗工場 工場長 中村様にご対応いただきました。大手コビニや大手菓子メーカーからの委託を受けているので、衛生管理はばっちり。



こだわりは、地元で揚がる水産物を機械を使わず、全て手さばきで行っているそうです。刺身までのスライスや、パン粉付けまで行っていて、冷却冷凍機器は、CASをメインで使用し、3Dブラストも活用されているとのこと。スチコンはないが、大鍋(100L)と回転窯に、レトルト釜があり、煮込み系は可能。志摩市には干物屋がないことと、付加価値をつけるため電磁波 氷温熟成させた熟成魚も作っているそうです。魚種は、天然ブリ(冬)から、鯛、さわら、すずき、カツオ、鯖、あじは最近増えているらしい。



3社目は、三重県鳥羽市で、昭和37年から牡蠣の養殖をされている有限会社丸善水産様へ訪問させていただきました。


2代目社長の中村修一様と息子さんで取締役工場長の中村善紀様にご対応いただきました。写真左が中村工場長で右が中村社長。

中村工場長が工場内を案内。
こちらは、牡蠣の加工がメインで、シンガポールはじめ海外にも輸出されています。

剥き身牡蠣を傷つけないよう洗浄する機械。

洗浄された下記を一粒づつトレーに入れて凍結させます。

カキフライのパン粉付け機もあり、

冷凍は3Dフリーザーを導入されています。

他にもアルコール凍結機も導入していました。

こちらでは、高機能が付いたイタリア製のスチームコンベクションを使われています。
低温調理や添加物無添加の商品製造も可能で、燻製調理もできるとのことなので、鯛やアイゴの燻製を試作いただくことになりました。

本社の裏手にある船上では、牡蠣食べ放題が楽しめるそうです。食べたかったなー。

本日訪問した3社で連携することで、地元活性化にもつながる取り組みができそうでこれから楽しみです!
三重県農林水産部フードイノベーション課の皆様アテンドありがとうございました。

 

FAQ(よくある質問)
Q1. アイゴとはどのような魚ですか?
A. アイゴは海藻を主食とする植食性魚類です。ひれに毒を持ち、独特の磯臭さがあるため市場評価は高くありませんが、適切な処理を行うことで美味しく食べることができます。

Q2. 磯焼けとは何ですか?
A. 海藻が減少し、海底が岩肌のままになる現象です。アイゴやブダイなどの植食性魚類の増加や海水温上昇が原因とされ、漁業資源や海洋生態系に深刻な影響を与えています。

Q3. なぜ未利用魚の活用が注目されているのですか?
A. 水産資源の有効活用、フードロス削減、漁業者の収益向上につながるためです。近年はSDGsや持続可能な漁業の観点からも注目が高まっています。