製粉から製麺まで一貫製造する創業90年の老舗メーカーへ。
今回は島根県出雲市で創業昭和2年で90年以上の歴史のある、
出雲蕎麦製造販売の米山萬商店さんへお伺いしました。
米山専務様とお母様にご対応いただきました。
創業当時は米穀店でしたが昭和28年から麺類の製造を始めたそうです。
創業以来、厳選した原料と自家製粉にこだわり続けている老舗です。
昭和57年に開催された「第37回国民体育大会(くにびき国体)」に
天皇陛下、皇太子、皇太子妃が来られた際に出雲そばのそば粉を献上されたそうです。
こちらの一番の特徴は製粉から製麺まで自社で一貫製造しているところです。
早速工場の見学へ
製粉工場では甘皮ごと挽きこんだ一本挽きそば粉を作っています。
製粉された粉はとなりの加工場に移動なり、この大きな練り機でそばが捏ねられます。
捏ねられた麺は薄く延されていきます。
一旦このようにロールにまかれて数時間寝かせます。
寝かした麺はカットされて、2つに分かれます。
一つはお土産売り場やスーパーでよく見られる乾燥させた乾麺です。
少し力をいれるとポキッと折れる感じのまさに乾麺です。
もうひとつはゆで麺。
寝かしてカットした麺をいくつもの大きな鍋で茹で上げます。
茹で上がった麺を冷たい水で締めて、水を切りパッケージにいれていきます。
よくスーパーでみるのがこのような感じですね。
できたてなので、袋の中のそばは柔らかです。
その後、高温の蒸気で行う殺菌室に入れます。
※ちょうど殺菌室からでてきたのは焼きそばの麺でした。
そしてこの茹でたそばを冷凍にさせたのが冷凍出雲そばになります。
見学が終わると試食を出していただきました。
冷凍のそばを温めたお湯の中にいれて湯せん、そのあと流水で冷ましたのですが、
すでに冷凍前に湯がいているのだから湯せんしなくても流水で解凍したほうが
すぐにできるのではと思い、流水で試してみました。
米山萬商店さんのお二人は以前から流水麺の問い合わせはあるが、できないと思い込んでいて、
流水解凍の実験もおいしく解凍できないでしょうと半信半疑。
やってみると流水1分で解凍できました。
また食べてみると、湯せんは当然2度ゆでになるので、柔らかく、コシがないのに比べて
流水の方がコシがあって断然おいしいんです。
お客様にとっては簡単調理が求められるので、流水解凍の方がおすすめです。
現状の出雲そばは小麦・そば粉が50%ずつなので、そば粉を70%で作ってもらうようお願いしました。
出雲そば以外にもスパゲティーや焼きそばも作っているということで、
こちらの方もあわせて試食を作っていただきました。
ソフトスパゲティはレトロな感じのパッケージで具材と麺をフライパンで温めて
備え付けの粉末ソースをかけるタイプ。
ソーセージだけいれて作ったのがこちら
もちもちの食感で、なかなかいけます。
焼そばの方は、現在ではほとんど行われていない「せいろ蒸し製法」でつくられています。
この麺に野菜と豚肉をいれて作ってもらいました。
野菜も肉もそれほど多くないのですが、備え付けの粉末ソースでは味が薄い。
大阪人の私はもっとたっぷりソースをからめたい感じです。