2017年10月(250号) 貢献に目を向ける

【人のためにお役に立つ事業を行う】
 今年も早いものでアッと言う間に10月に突入。昭和63年9月1日に9年間の酒屋修行を経て独立開業し29年が過ぎました。独立する際、3坪の店でも嬉しくて舞い上がり、将来会社にしたかったので企業理念について調べました。ある書物に、企業理念とは創業する際の目的や大切にしてきた考え方を記し、企業が存続する限り永久不滅に厳守して追及していく企業の指針であり、経営理念とは経営内容や経営者が変わった時などに時代と共に変化させて経営していく指針と書かれていました。そこでまず企業理念を考えました。僕が一番大切にしてきたこと、そしてこれからも大切にしていきたいことは人のためにお役に立つこと。従ってどんなに世の中が変わろうと、異なる商売を行おうが企業理念として、「人の世のためにお役に立つ事業を行う」ことに決めました。そこで今の自分に出来ることは何か?自分の店の強みは何か?この強みを徹底して活かすことが責務だと考え、誰に貢献するのか?お役に立てる人は誰なのか?何なのか?を考えました。

【宅配で世の中に貢献する】
 独立する際、大勢の方からこんな場所の悪いところで商売しない方が良い、宅配なんて流行らない!これからは店売りの時代だ!など散々言われ、看板等の協賛を頼んでも潰れるような店に協賛出来ない!と率直に言うメーカーさんもいました。そのメーカーさんは既に経営譲渡されました。当時の僕は資金が無く、広い売り場(店)の確保は難しかったです。そこで、貢献できるのは宅配しかないと思ったのです。宅配は立地条件や広い売り場は要りません。むしろ辺鄙でも駐車場があり、倉庫の賃料が安いほうが宅配専門店にとっては好都合なのです。当時宅配事業と言っても皆さんピンときませんでした。独立してしばらくしてから同窓会に行くと、まだ酒屋しているのか?とか、親戚の集まりでも酒屋さんは大変じゃないの?など言われるとがしばしば。当時、お酒やお米の宅配専門店と言ってもイメージできず、蔵元やメーカーさんと商談してもピンとこない人が多かったです。しかし当時は酒や飲料水はケース販売が主流で、米も10kgの販売が主流、重たいかさばる商品は買って自宅まで持って帰るのは一苦労でした。そういうことから、宅配のニーズは十分にありました。そこでアマゾンさんと一緒でトイレットペーパーやテッシュペーパーをいち早く取り扱いもしたのです。重たいかさばる商品を夜9時まで配達OK!と書いたチラシを配布したのです。

【買物弱者支援と冷凍惣菜に意義を見出す】
 時代が変化し、酒類免許の自由化で、スーパーなどで酒類がバラで安く販売されるようになり、個店では売れなくなりました。要するに貢献に値しなくなったのです。お酒やお米の宅配サービスの意義が無くなったのです。そこで今度は誰に貢献できるのか?何で貢献できるのか?を考え、スーパーで買い物しても材料が余る、足腰が悪くて買い物に不便を感じる高齢者世帯、コンビニやスーパーでは取り扱ってないものに目を向けました。つまり地域の名産品やご当地グルメ、保存料や合成着色料不使用で、国産食材を使った冷凍惣菜です。お客様からは「美味しかった」「助かるわ」「ありがとう」とまた感謝されるようになり、伊藤忠商事さんには、これからの高齢社会に向け業務提携を行い、システム開発や県の紹介でもお世話になりました。そして生産者さんやメーカーさんからも感謝されるようになり、経済産業省や農林水産省からも高く評価をいただき、両省のホームページで公開いただきました!貢献に目を向けること。これまた商売繁盛の法則也…。

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