堀田の訪問日記 vol.30(福岡編1)

先週3月6日(金)に、わんまいるオリジナル清酒、統一鬼ころしを作ってもらっている、福岡県八女市の酒蔵喜多屋さんに行って来ました。喜多屋さんとはもうかれこれ20年近くのお付き合いになります。

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20年前と言えば、地酒ブームの中、長らく続いた清酒級別廃止が決定、お酒もこれからは一級二級というランクや価格で飲まれるのではなく中身の味や好みで飲まれる時代が来た!と思い、弊社の理念でもある、日々晩酌で飲め、飲み飽きしないお酒を全国の酒蔵を回り、地元で長らく飲み継がれているお酒お客様にご提供したいと思い、当時鬼ころしと言う名称のお酒が色ん な蔵元から発売される中、鬼殺しの中で一番美味しい、統一鬼殺しを販売したいと思い、全国の名門吟醸酒蔵を回っておりました。お酒は各地域により、杜氏も異なり、気候風土、お米、お水、顧客の好みが異なります。東北地方の南部杜氏から関西の丹波杜氏など様々です。九州は一般的に焼酎のイメージを持たれるでしょうが、福岡や熊本、佐賀県は清酒県で、年貢が緩やかになった150年~200年前に創業された蔵元が多いです。現在でも福岡は夢つくしや森の熊さんなどお米でも有名で特A地域が沢山ある米処です。そして日本百選に選ばれる清流が沢山あります。そして九州男児とされお酒が強い方が多いように思います、そんな関係もありしっかりとした味わいのある清酒が特長です。そこで、福岡県で昔から有名な、喜多屋さんにお願いして統一鬼殺しを作ってもらおうとお願いしに行ったのがキッカケです。最初は吟醸蔵なので価格の安いお酒は作れないなどと断られましたが何度も頭を下げて説得してようやく受け入れてくれました。喜多屋の酒は、繊細で上品でフレッシュな味わいがする中に旨みがあるのが特長です。そしてあれから20年、統一鬼殺しはわんまいる清酒部門で常に上位の売れ筋です。

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今回訪問させて頂いた目的は、一昨年に世界のワインジャーナリズムをリードする世界最高規模最高権威に評価されるワインコンペティションSAKE部門で第一のチャインピオン・サケを受賞されましたのでお祝いを兼ねて木下社長のお顔を拝見しにご訪問させていただきました。訪問した翌日から、年に一度開催される地元の八女ぼんぼり祭にあわせ二日で1万人以上が来場される蔵開放の準備で大わらわ、大変忙しいそうな雰囲気でご訪問してしまい大変申し訳ないなぁ…と思いきや、木下社長自らご挨拶に来ていただき、昼食にと、今年1月にオープンされた明治はじめに建築された豪邸の見事な離れや庭園の古屋敷を改装され、地元の食材を使った料理と喜多屋のお酒を楽しめる、酒邸吟乃香にご招待頂きました。8年前と言えば、ちょうど焼酎ブーム真っ只中、清酒の売上が低迷する中、C型肝炎にかかり治療中でした。ご本人の必死の努力で無事治り、それから酒造りに邁進、社長自ら酒蔵に入り込み必死に美味しいお酒造りに、清酒低迷と大病が無ければ、サケチャンピオン第1位は取れなかったと・・・・・山口県の獺祭(だっさい)さんや岐阜の天領さんも含め、皆さんずっと順調な蔵元もなければ企業もありません。いくつかの苦境を超えて今があるのです。今回の受賞は、福岡県全体の清酒を世間にわからすことが出来、おかげで一昨年も昨年も今年も福岡の清酒の販売は前年を越えています。自分ところだけでなく、福岡の清酒は旨い!と伝えることができたのでは・・・と弊社が受賞することで競合の酒蔵も元気になってくれるのが何より嬉しいとも仰っていました。

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どこの蔵元も2月後半から3月の頭にかけて品評会に出品する酒造りで毎日寝ずのサケ作りを懸命です。酒蔵を木下社長自ら案内下さり 、通常は入れない、大吟醸を仕込む「室」へも入れていただき、麹を手で触らせてくれました。それから出品予定の福岡県糸島産、酒造好適米「山田錦」を使った35%、33%、50%磨きや雄町や地元八女産の吟乃里など酒造好適米を旨くブレンドした清酒などを利かせていただきました。木下社長みずから原酒を汲み上げ、利き酒器に、一緒に同行されていた営業の皆様もさぞかし驚いていた様子。

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すべては「時」、永いお付き合いはとても大切な事だと改めて感じました。若い方も多く蔵元で働かれ、アメリカにも合弁会社を作り、毎月400フィート900ケースを出荷されているとのこと、喜多屋の営業で 求人しても集まらないが、アメリカの会社に働く者と募集すると一度に300人から応募があるという。ビザの関係で現在二人が帰って来ており、ビザが確 定次第アメリカへ、2人とも将来アメリカに定住したい考えだと聞きました。現在アメリカは凄く景気が良いと聞きます。まさにアメリカンドリームなの でしょうね。日本から若い人材がどんどん居なくなっていくように凄く感じました。本当にこれからはグローバルに見て、規制緩和や高齢社会にどう対応して行くのか、真剣に考えなければならないと思いました。これから夏場に旨い吟醸酒をカタログで取り扱い、御用聞きの際にご紹介させていただきます。