心を醸し魂を込めて醸造する「醸魂」の醤油蔵 垣崎醤油
島根県のほぼ中央に位置する邑南町にある大正10年に創業の醤油・味噌醸造元で昔ながらの伝統の技法を使って作られています。醤油蔵は明治初期に建てられた蔵で元は酒蔵だったとのこと。
どこの酒蔵や醤油蔵もそうですが、蔵に入ると正直非常に古く、なんでこんなところで酒や醤油をつくっているのか?と初めて酒蔵をみた時は思いました。
垣崎醤油さんも同様で、蔵の中は100年の歳月を感じさせる古さです。なぜかというとお酒や醤油は発酵商品で、蔵の中には酵母菌や乳酸菌が暮らしていて、これがその蔵の味になっているんです。だから蔵を新しくすると、同じ原料や行程でも味はまったく違ったものになるんです。
今回は、4代目の宏次さんが蔵内を案内してくれました。
歴史の重みがある木桶が荘厳と並んでいます。
備えてある階段を上がると木桶の中にはもろみがたっぷり入っています。
こちらは3月に仕込んだ状態でまだ6ヶ月くらいだそうです。
完成まであと9ヶ月くらい発酵熟成させます。
かい入れ(櫂入れ)の作業も見せていただきました。
簡単そうに見えますが、意外と力がいる仕事のようです。
動画も撮りました↓
宏次さんは従来の商品はもちろんですが、新しいことにも取組んでおられます。
例えば、甘酒をまぜた商品も開発中とのことです。
発酵熟成が終わった商品を圧搾機でもろみを搾ります。
こちらも年季が入っていますね。
となりの敷地には新工場を設立され、米麹・味噌麹の室(むろ)小麦の蒸し器など新しい設備もされ甘酒や塩麹などもの製造にも注力されています。
いよいよ試食です…
こいくち木桶仕込みは島根県独特の甘めの味です。
もろみ味噌は通常のもろみ味噌と違い、ご当地食材のなすびとえごまをまぜたものや大豆を混ぜた商品です。
中でも「茄子を混ぜたおかずもろみ」が美味しかったので、早速このもろみをベースに同じ島根県の石見ポークと合わせ、「石見ポークのもろみ味噌佃煮」の試作をお願いしました。おそらく、お茶漬けにしても美味しいと思います。
ごぼうやれんこん等の根菜やきくらげ、そして茎ワカメなどといったコリコリ食感の食材もこのもろみの粒感と相性が良いでしょうね。
他に味噌田楽の素(もと)もお願いしました。こんにゃくのみならず、大根や人参やじゃが芋などレンジでチンしたポイル野菜にかけて食べるとおかずにもなるし、七味をかけるとお酒の肴にもなりますよね。
天然醸造醤油と天然醸造の味醂と天然のそうだ鰹いりこ昆布のこだわりだしを使用したこだわりのダシを試作してみて欲しいと思いました。。。
途中3代目正紀さんも合流し、醤油づくりへの思いをお聞きしました。
新しい取り組みへの意欲的で、非常に頼もしく感じました。