自宅で梅を漬けたことはありますか?
甘酸っぱい梅シロップに炭酸を注いで作る梅ジュースは絶品ですよね!
自分で作る梅ジュースであれば、好みの味に調節できるし、無添加で健康的でしょう。
しかし、梅ジュースは作り方や保存方法を間違えてしまうと、食中毒を引き起こしてしまいます。
梅ジュースを飲んだ後に、腹痛や吐き気・嘔吐等の症状が出てしまった場合は、食中毒の可能性が高いです。
せっかく作った梅ジュースで食中毒は嫌ですよね。
今回は、梅ジュースによる食中毒を防ぐ方法をご紹介します!
また、劣化しにくい保存方法も併せてご紹介するので、気になっている方はぜひ参考にしてみてください!
梅ジュースで食中毒になる可能性がある?原因を紹介
まずは梅ジュースで食中毒になる原因をご紹介します。
しっかり原因を理解することは、食中毒の予防に繋がります。
水や砂糖などで長時間浸け置きをしているからこそ、手を抜くと腐りやすくなってしまいます。
梅を漬ける前に、正しい作り方と注意点を確認しておきましょう。
瓶の殺菌がしっかりできていない

梅ジュースで食中毒を引き起こす原因の1つが、瓶に付着している菌です。
梅を漬け置きしておく瓶の殺菌が甘いと、菌が繁殖してしまいます。
カビの原因にもなるので、沸騰消毒を行いましょう。
また、瓶と梅の水分はしっかり切っておくことが大切です。
水分が残っていると、殺菌した意味が無くなってしまいます。
清潔な布などで丁寧に水気を拭き取りましょう。
保管方法が悪い

梅ジュースを長時間楽しむためには保管方法も大事になってきます。
カビはデンプンや糖分を特に好んでいます。
梅ジュースを作る際は、砂糖をたくさん入れるのでカビにとっては最高の住処です。
湿気が多いところや、直射日光・温度が高い所に置いていると、瞬く間にカビが繁殖してしまいます。
また、常温で保管することも出来ますが、完成したものや開封してしまったものは、冷蔵庫で保管することが望ましいです。
常温保存をしたい場合は、加熱処理を行い、1〜2ヵ月で飲み切るようにしましょう。
梅をそのまま食べる
完熟した梅は食べても問題ないですが、青梅をそのまま食べてしまうと、青酸中毒になりかねないです。
熟れていない青梅には「アミグダリン」という毒素が含まれており、体内に入ると呼吸困難などを引き起こしてしまいます。
ですが、青梅1つに含まれているアミグダリンは微量であるため、少量食べてしまっても体調に変化がない限り問題はありません。
また、長い間アルコール漬けや砂糖漬けをしていれば、毒素は分解されるので、梅ジュースに使用するのは問題ありません。
氷砂糖が少ない
梅ジュースを作る際、氷砂糖と梅は1:1の割合で漬けなくてはなりません。
「カロリーを抑えたいから」「氷砂糖が足りないから」等の理由で氷砂糖を減らさないようにしましょう。
どうしても減らしたい場合は、梅1に対して、氷砂糖は0.7〜0.8にしましょう。
また、漬かっている梅と漬かっていない梅があると、梅のエキスがちゃんと出ず、氷砂糖が溶けるスピードが遅くなってしまいます。
氷砂糖の量が極端に少ないと、梅から充分な水分が出ず、発酵してしまう可能性があります。
梅ジュースが腐っているか否か確認する方法

自宅にある梅ジュースが腐っているかどうか確認する方法があります。
腐った梅ジュースを口にしてしまうと、食中毒になってしまうので、口に含んでしまった場合はすぐに吐き出してうがいしましょう。
梅ジュースが腐っているか確認しよう
- 嫌な臭いがする
- カビが発生している
- 酸っぱいもしくは苦い味がする
以上のうち、どれかに当てはまっていれば、腐っているサインです。
嫌な臭いがする
梅ジュースの腐ったサインとして、一番わかりやすいのが匂いです。
不安だと思ったら、蓋を開けて匂いを嗅いでみましょう。
腐っている場合は、鼻にツーンと来る腐敗臭やシンナー臭、生ごみのような臭いがするはずです。
カビがある場合は、カビ臭さも感じるでしょう。
基本的に、飲んではいけなさそうな臭いを感じた場合、腐っている可能性が高いので注意しましょう。
カビが発生している
梅ジュースの見た目からも腐っているかどうか判断することができます。
白カビ・青カビ・黒カビなどがある、もしくは梅に白い点々がついている場合は、カビが繁殖している可能性が高いです。
カビが1ヶ所でも見られる場合は、すぐに廃棄するようにしましょう。
カビを取り除けばいいと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、少しでもカビがあると、菌はすでに瓶全体に広がっている可能性が高いです。
加熱しても飲むことができないので、諦めて処分しましょう。
飲むととても酸っぱい味もしくは苦みがする
強い酸味を感じたり、苦みを感じた場合は腐っている可能性が高いです。
普通の梅ジュースと味が異なっている場合は、処分するようにしましょう。
口に入れた時、違和感を感じたならば、すぐに吐き出してうがいをしましょう。
飲み込んでしまえば、腹痛や嘔吐の原因になってしまいます。
【食中毒の心配なし】梅ジュースの特徴

一見腐っているようだが、飲んでも問題ない梅ジュースの特徴もあります。
- 白い泡が立っている
- 少しシュワシュワしている
以上の特徴に当てはまる場合は、腐っているわけではないので安心してください。
泡がたっている
梅を漬けていると、シロップの上に白い泡が立つ場合があります。
シロップ液の表面に白い膜が張ったり、白い濁りや浮遊物ができることもあります。
これらの現象は、梅の天然酵母が発酵して出来たものですので、腐っているわけではありません。
そのまま放っておけば、梅酒が出来上がります。
発酵を止めたい場合は、シロップを鍋に移して、弱火で煮込むようにしましょう。
あくが出たら取り除き、もう2〜3分煮込みます。
最後はしっかり冷ましてから保存容器に戻します。
加熱しすぎてしまうと、梅の風味が損なわれてしまいます。
シロップ自体を沸騰させることなく、ふつふつ状態を保つように煮込んでください。
また、加熱後に鍋ごと氷水で急冷させると、梅の風味をより保つことができます。
すこしシュワシュワしている
梅のシロップを混ぜると、シュワシュワっと泡が出てくる事があります。
このシュワシュワは梅シロップが発酵している証ですので、腐っているわけではありません。
この場合も、加熱処理すれば発酵を止めることができます。
10日以上漬けこんでいて、梅がシワシワになっている場合は、加熱処理後は梅をとりのぞいてもいいでしょう。
シワシワの梅は、梅ジャムにして食べても美味しいですよ。
【食中毒を起こさないために!】梅ジュースの作り方を紹介!
では、食中毒を極力起こさないための梅ジュースはどう作るべきでしょうか。
梅ジュースを腐りづらくするつくり方をご紹介します!
梅の水分をとる

梅ジュースを作る時、梅をしっかり洗う必要があります。
ですが、どれだけ洗っても水気が残っている場合は、カビやすくなってしまいます。
食品の中には「自由水」と「結合水」が存在します。
腐りづらくするためには、「結合水」の割合を増やす必要があります。
カビや菌が発生する原因となる微生物は、「自由水」で増殖します。
そのため、梅をしっかり洗い終わった後は、キッチンペーパーなどの清潔な紙や布で1個ずつしっかりと水気を取ってください。もしくは、天日干しで乾かすようにしましょう。
同様な理由で、保存瓶もしっかり乾かしてあげましょう。
瓶を煮沸消毒をする

保存瓶はしっかり殺菌・消毒してあげることが大事になってきます。
もともと瓶の中に存在していた菌がカビや腐敗を進める原因になってしまうのです。
しっかりと沸騰消毒をするようにしましょう。
この時、瓶が急激に温められると破裂してしまう可能性があります。
まずは60度前後のお湯で瓶を温めてから、熱湯で消毒するようにしましょう。
また、沸騰消毒後に除菌シートやアルコールで拭き上げると、より消毒効果を高めることができます。
何度も言いますが、消毒後はしっかり乾燥させてくださいね。
氷砂糖と梅を交互に重ねて瓶に詰める

梅のエキスは、浸透圧によって抽出されるため、梅の実と氷砂糖を交互に瓶に詰めるようにしましょう。
できるだけ梅の実を氷砂糖に触れるように入れることがポイントです。
また、先述した通り漬かっていない梅があると、梅のエキスが十分に出ず、氷砂糖が溶けるスピードが遅くなってしまいます。
発酵を進める原因になってしまうので、注意が必要です。
定期的に瓶を混ぜる
梅を漬けている時は、定期的に混ぜるようにしましょう。
エキスに漬かっていない梅があると、漬かっていない梅にカビが生えてしまう可能性があります。
混ぜるときに菜箸やトングなどの道具を使う場合は、道具の殺菌処理をしっかりするようにしましょう。
道具を使わなくても、容器をひっくり返したり振ったりするだけでOKです!
約1ヵ月で完成
梅は約1ヵ月漬けていれば完成します。
梅がシワシワになっている場合は、梅が発酵しきっている証です。
梅が発酵しきったあとは、梅シロップが発酵し始めるため、梅酒になってしまいます。
発酵を進めないためにも、シワシワになった梅は取り出しておきましょう。
梅を取り出す時の道具もきちんと殺菌処理を行ってくださいね!
梅ジュースで食中毒にならないための正しい保存方法を紹介

では、出来上がった梅ジュースをカビらせないための保存方法をご紹介します。
梅シロップを長い間楽しみたい方は、これから紹介するポイントを守りましょう。
なるべく冷蔵庫で保存する
梅シロップは、基本的に直射日光と高温の場所を避けておけば、常温で保存することができます。
ですが、開封した後は、冷蔵庫で保存する必要があります。
そのため、初めから冷蔵庫で保存して、賞味期限を伸ばしましょう。
また、開封後は速やかに飲み切ることをおすすめします。
大体1〜2ヵ月を目安にしてください。
長期保存する際は、煮沸してから
2ヵ月以上の長期保存をしたい場合は、梅を取り除いて保存するようにしてください。
また、加熱をすることで未開封の状態で1年程度持つことがあります。
長期保存をする際は、沸騰させてからするようにしましょう。
長期保存のポイント
- 容器はしっかり消毒する
- 容器は確実に密封する
- 傷んでいない梅の実を使用する
- 冷蔵庫で保管する
- 加熱処理をしてから保存する
ですが、どれだけ処理しても、開封後は1ヵ月程度で飲み切ってください。
梅ジュースの賞味期限は?
では、梅ジュースの賞味期限はどれくらいでしょうか。
前の内容にもちらほら出てきましたが、ここでまとめておきます。
気になる方は参考にしてみてくださいね。
密封している状態の保存期間目安 | |
---|---|
常温保存(加熱なし) | 3~4週間 |
常温保存(加熱あり) | 約1ヵ月 |
冷蔵保存(加熱なし) | 約半年 |
冷蔵保存(加熱あり) | 半年 ~ 1年 |
開封済み | 約1ヵ月 |
上記の表はあくまでも目安です。
自分が作った梅ジュースの状態をしっかり観察しておきましょう。
味に違和感が出たり、カビが生えてきている場合は、速やかに処分するようにしてください。
【番外編】梅ジュースの主な栄養素・効果

梅ジュースは健康的だと言われていますが、具体的にどのような栄養素・効果があるのでしょうか。
ここでは、梅ジュースの主な栄養素と効果をまとめています。
健康的な生活を意識している方は、ぜひ参考にしてみてください。
自分の健康状態と照らし合わせて、梅ジュースを普段の食生活に取り入れてみてはどうでしょうか。
むくみ改善:カリウム
むくみとは、余分な水分や老廃物が皮膚の下に溜まっている状態を指します。
原因の1つとして、塩分の摂りすぎが考えられます。
梅ジュースには「カリウム」が豊富に含まれています。
「カリウム」は塩分を体の外に排出する働きがあるため、むくみ対策に役立つとされています。
むくみやすい方は、ぜひ梅ジュースを普段の食生活に取り入れてみてはどうでしょうか。
抗酸化作用:ポリフェノール
梅ジュースには、強い抗酸化作用がある「ポリフェノール」が含まれています。
「ポリフェノール」は、シミやシワなどの老化の原因となる活性酸素の働きを抑制し、体内の酸化を抑える作用があります。
また、同じく抗酸化さようがある「ビタミンE」も含まれているため、梅ジュースは体の老化を防いでくれます。
いつまでも若々しくいたい方は、ぜひ梅ジュースを飲んでください。
疲労回復:クエン酸
梅の酸味は「クエン酸」という成分によるものです。
「クエン酸」はビタミン・ミネラルの吸収力を高めてくれます。
また、筋肉の疲れのもととなる乳酸を分解する働きもあります。
乳酸が体内に溜まると、疲労を感じるため、梅は疲労回復効果があると言えるでしょう。
梅独特の酸味は、食欲不振をも解決してくれます。
日ごろ忙しい方は、梅ジュースで疲労回復を図ってみてもいいですね。

